方言

わたくしネモ船長は東北生まれ東北育ち関東在住の人間です。

今はそうでもないと思いますが、私が中・高校生の頃のマスメディアは方言を話す人間を見下す傾向が強く、当時の私含む若い世代は東北弁を恥ずかしく思う気持ちがとても強くありました。

大学への進学で関東に出てきた直後は話す言葉の端々に方言が出ていましたが、意識して標準語を話すようにした事もあって数年後には方言が口から出る事は殆ど無くなりました。当時は周りから馬鹿にされないように(方言を馬鹿にする人が結構居たのです)自分なりの生き残り策だったですが、今思うともったいない事をしたように思います。

逆に関西圏出身の人たちは関東でも全く臆することなく関西弁を使っていました。数年経っても関西弁のままだったので『関西人は強いなあ。』と妙に感心(?)した記憶があります。

 

 

先日、とあるTV番組で“百年後も方言は残っているか?”という内容が放送されていました。

コメンテーター達の意見は『だんだん方言は薄れて言葉は平坦化していくだろう。』で、私も同意見でした。

現に、私の祖父母世代(90代~)、親世代(60/70代~)、私(40代)と下に行くにつれて日常で方言を話す頻度が顕著に減っています。

そして、私が祖父母世代の方言を聴いて内容を理解する事は出来ますが、同じように自分が話せるかと言われると・・・かなり難しいです。

地元でずっと暮らしていたとしても祖父母世代と同じように話すのは難しいのではないかと思います。

こうして方言はだんだん廃れていくように思います。

でも関西弁は最後まで日本に残っていそうな気がします・・・。

 

 

話は変わりますが、漫画や本で東北弁が文字で書かれていたりしますよね。それを見ると東北弁はやたら濁音が多いように感じたりしないでしょうか。

 

例:『そごさいっできいでけばわがるすげ。(そこに行って聞いてくれば分かるから。)』

 

 

この濁音のように見える言葉、実は鼻濁音である事が多いのです。

 

※ 鼻濁音についてはこちらをご参照ください。

www.ndsu.ac.jp

 

www.med.or.jp

 

以前、知り合いの関西出身者に鼻濁音について尋ねた事がありましたが、練習しないと発音が難しいとの事でした。

調べると、どうやら鼻濁音は東北で最も多く使われているようです。

鼻濁音で話すと濁音に比べて言葉の音が柔らかく、さらさらと流れるように聴こえます。ですが、上記のように文字だけだと鼻濁音か濁音か分からないですよね。

そんな事もあって、東北弁が文字で書かれているのを見ると『これってちゃんと伝わっているのかな。』と感じたりします。

 

百年後の日本人はどんな言葉を話しているのでしょうね。

方言も少しは残っていると嬉しいな、と思います。